池田中学校は「一人一人の生徒に確かな学力を育成するためのICT機器の活用」について研究しています。
2011年9月に41台のタブレットPCを導入して活用を始めました。 
研究の目的:
一人一人の生徒に確かな学力を育成するには、生徒の実態に応じて、繰り返し練習問題を解いたり、何度もシミュレーションをして納得したり、調べ学習をしたりすることが効果的な場合がある。このような場合に、一人一人の生徒が手軽に活用できるICT機器があれば、効果的な学習活動が展開できると考えられる。そこで、41台のタブレットPCを導入して、効果的な活用方法の研究を行うことにした。

導入機種 STYLISTIC Q550/C 
 
       
  本校は、3年生7学級、2年生8学級、1年生8学級で、ここに示す事例は複数の学級で実践したものの代表事例です。
実証授業事例1
  実施日 : 2011/10/06 第5時限
教科・単元 : 2年 数学 一次関数
実施学級 : 2年7組
実施場所 : 南舎2階2年7組教室(普通教室)
学習形態 : ペア学習・ドリル学習
活用場面 : 習熟の場面 (授業後半)
活用コンテンツ : 岐阜県中数研シミュレーションソフト
活用ソフトウェア : InternetExplorer
ICT機器 : タブレットPC21台
 
  活用の目的:
一次関数のグラフから、傾きと、切片の値を読み取り、式であらわそう
   
  活動内容:
@2人がペアになって、一人がタブレットペンで、切片上の点Aとy軸上以外の点Bを指定して2点を結ぶ直線を引く(図1)

図1 
 
  Aペアの別の一人がグラフの傾きと切片の位置を読み取り、式をつくる(図2)
図2
 
  BタブレットPCで答えを確認する(図3)
間違えた場合はペアで話し合う

図3
 
  生徒の感想:
友達の出してくれた問題の解答がすぐにでて、自分たちのペースで何度も問題に取り組めて楽しかった。
点の取り方によっては傾きが分数になってしまったが、2人で相談して傾きを考えたら納得できた。
式の作り方がよく分からなかったけど、何度も問題を出したり友達の説明を聞いたりしているうちに分かるようになった。

図4
 
課題:
・タブレットPCにバージョンアップのメッセージが出るものがあって、妨げになる。
・校内LAN接続の不具合が出た1台を交換し、再設定した。
       
実証授業事例2
実施日 : 2011/10/11 第4時限
教科・単元 : 3年 理科 エネルギー
実施学級 : 3年3組
実施場所 : 北舎3階第2理科室
学習形態 : 個別学習
活用場面 : 学習内容の確認の場面 (授業のまとめの場面)
活用コンテンツ : 理科ネットワーク(JST)
活用ソフトウェア : InternetExplorer
ICT機器 : タブレットPC41台
  活用の目的:
ジェットコースターの動きから、ジェットコースターの位置と早さの関係を確認する。

図5
 
  活動内容:
@実験したり、電子黒板を使って考えた運動する物体の位置エネルギーと運動エネルギーの関係をタブレットPCを使って確認する。

図6
 
A理科ネットワークの動画教材やシミュレーション教材を使って一人一人が繰り返し、納得するまで確認する。
図7
  生徒の感想:
物体の運動の様子を繰り返し見たり、途中で止めたりして考えることができたので、納得できた。
分からないところを隣同士で相談したり、教えてもらったりして確認できたのでよかった。

図8
 
  課題:
・41台を接続することができたが、タブレットPCによってはデータの読み込みに時間がかかった。
(ジェットコースター動画のダウンロードは速いもので15秒、遅いもので3分)
 
実証授業事例3
  実施日 : 2011/10/13 第1時限
教科・単元 : 3年 数学 2次関数
実施学級 : 3年1組
実施場所 : 南舎1階3年1組教室とWS(ワークスペース)
学習形態 : 習熟度別学習
活用場面 : 基礎コースの生徒が活用 (課題追究で習熟度別に探究する場面)
活用場面 : 習熟の場面 (授業後半)
活用場面 : 習熟の場面 (授業後半)
活用コンテンツ : 岐阜県中数研シミュレーションソフト
ICT機器 : タブレットPC10台
 
  活用の目的:
2次関数の表をつくり、x にともなう y の変化の割合を調べる活動を通して、変化の割合が変域毎に異なることが分かる。

図9
 
  活動内容:
@基礎コースを希望した生徒はWSへ移動して、表を作成して決められた変域の変化の割合を表にする。

図10
 
  A決められた変域以外でも変化の割合が異なっているのかを計算し、タブレットPCで確認する。 
図11
 
  B比例定数の異なる2次関数でも同じことが言えるのかを計算し、表を作成して、タブレットPCでも確認する。
図12
 
  生徒の感想:
 x の値を変えて y の値を求め、求めた値をタブレットPCで確かめることができたので、自信をもって一次関数の変化とは違うことを発表できました。
自分でいろんな比例定数入力し、タブレットPCで確かめて、比例定数の異なる2次関数でも同じことが言えることが納得できた。

図13
 
  課題:
・授業の途中でコース決定をするので予想以上に多くの生徒が基本コースを選んだ。生徒は個に応じて活動したので、タブレットPCの数が足りず2人で1台のタブレットPCを活用させた。結果的に2人で相談しながら活動できたので互いに教え合ったり相談したりすることができ、生徒の理解が進んだが、できれば1人1台のタブレットPCを確保したい。 
(全校に41台しかないため、複数学級が同時に活用すると台数が不足する)
 
     
実証授業事例3 
  実施日 : 2011/10/13 第2時限
教科・単元 : 3年 理科 エネルギー
実施学級 : 3年7組
実施場所 : 北舎3階第3理科室
学習形態 : 個別学習
活用場面 : 学習内容の確認 (授業のまとめの場面)
活用コンテンツ : 理科ネットワーク(JST)
活用ソフトウェア : InternetExplorer
ICT機器 : タブレットPC40台

図14
 
  @電解質の溶けた水溶液に2種類の金属板を入れ、電流が流れる様子を観察する実験を行い、その結果を考察する際に、イオンのモデルを使って説明できるイオンの動きを考える。
図15
 
  A実験結果を説明するイオンと電子の移動の様子を考え、タブレットPC上に自分の考えを図に書き表し、自分の考え方や分かったことを班で交流する。
図16
 
  生徒の感想:
班の友達がタブレットPCを使って、金属イオンの動きをわかりやすく繰り返して説明してくれたので、説明がよく分かった。
最後に、理科ネットワークのモデルの動きを見て、自分の考えが合っていたことが確認できてよかった。

図17
 
  課題:
・各自がタブレットPCに書き込んでいるときには問題ないが、一斉にJSTに接続するときにタイムラグができるタブレットPCがある。
・生徒の考えたイオンモデルをすばやく電子黒板に映し出せるようにしたい。
  生徒がイオンの動きを全体に説明するときの効果を次の2案について検討する必要がある。
  (A)生徒のデータをクラウドにアップし電子黒板で読み出して説明させる
  (B)タブレットPCで操作しその様子をウェブカメラで撮影して電子黒板で提示する
 
   
実証授業事例4 
実施日 : 2011/11/08 第3時限
教科・単元 : 3年 理科 エネルギー
実施学級 : 3年4組
実施場所 : 北舎3階第3理科室
学習形態 : 一斉・班・ペア
活用場面 : 実験の記録と考察(実験・考察の場面)
活用コンテンツ : なし
活用ソフトウェア : FujitsuHL , WindowsJornsl , ペイント
ICT機器 : タブレットPC20台

図18
@前時の復習から水素イオンが酸性の性質を決めているのではないかと予想し、ストローに硫酸ナトリウムとBTB溶液を混ぜた寒天を詰め、中央の切り込みに塩酸をしみこませた濾紙を挟んで15Vの電圧をかける。(実験は2人に1台)
図19
  A実験の記録と考察で、タブレットPCのカメラを使って寒天の色の変化を時系列で記録し、実験後、ペアで相談して、記録した映像上に見つけた事実や考えを書き込む。
図20
  B全体交流で、タブレットPCの記録をもとにしてペアの考えを電子黒板に書き込みながら説明する。
図21
 
  C他のペアの結果・考察と比較して、異なっている点と付け加えを電子黒板で説明する。
図22
 
  生徒の感想:
タブレットPCを使って写真で実験の記録ができたので、色の変化を正確に残せた。BTB溶液の色の変化を写真にそのまま残すことができ、2人でみつけた事実や考えたことを記録することができた。

図23
 
  課題:
・生徒の書き込んだタブレットPCの画面イメージを直接電子黒板に提示できた方が効率的に画面イメージを電子黒板に表示できる。その際、教師機で電子黒板に提示する画面を制御すると時間がかかり、生徒の思考が途切れるので、生徒機側の制御で発表する生徒の画面イメージを転送できるようにしたい。
 
       
一人一人の生徒に確かな学力を育成するための ICT機器の活用
タブレットPCの活用